肩こりに悩む人は年々増えてきているうえに、若年化傾向にあるそうです。肩こりは筋肉が硬くなることで起こる症状なのですが、その理由の多くは「運動不足」が原因なんだとか。運動不足で筋肉が衰えると、どうしても疲労が溜まりやすい体になってしまいます。
ですので筋トレで筋肉を鍛えることは、疲れにくい体を作ることにつながり、結果肩こりの解消も期待できるわけですね。ということで、肩こり解消に効果的な筋トレと、それぞれの種目のポイントについてご紹介したいと思います。
肩こりを引き起こす筋肉はここ!鍛えるべき場所は?
先ほども書いたとおり肩こりは筋肉が硬くなることで起こります。筋肉は疲労によって硬くなると言われてるのですが、筋肉が硬くなり柔軟性が失われると、筋中を流れる血液の循環が悪くなってしまいます。その理由は筋肉が硬くなることで血流を促すポンプ機能が低下してしまうからなんですね。
筋肉は収縮により血液を押し流す役割も果たしていますので、硬くなるとその動きが阻害されてしまうため、血液に乗って流されるはずの老廃物も滞り、ますます筋肉に疲労が溜まってしまいます。そしてさらに硬くなり血流が悪くなる…
といった具合に負のスパイラルから抜け出せない状態になり、肩こりの辛い症状を引き起こしています。ですのでまずは硬くならない筋肉にすること、つまり疲れにくい筋肉にすることが、肩こりを根本から解消するためには重要になってくると思います。
肩こりを感じるのは肩にある「僧帽筋」という筋肉になります。僧帽筋は頭の後ろから肩の付け根まで繋がっている筋肉で、主に肩甲骨を支える役割があります。そして同時に肩甲骨にくっ付いている腕も一緒に支えているんですね。そのため人間が上半身を起こしている間は、僧帽筋はずっと肩甲骨や腕を重力から支えるために働いているわけです。
肩こりが起きる状況と原因が何となく想像できましたでしょうか?
僧帽筋は常に使う筋肉だけに疲れが溜まりやすいので、今回の本題である筋トレを行って僧帽筋を鍛えれば、疲れにくい僧帽筋ができあがり肩こり解消に繋がるというわけなんですね。
僧帽筋を鍛えるために効果的な筋トレはどんな種目?
僧帽筋はとても面積の大きな筋肉で、頭の後ろから肩にかけての上部と、背中の中央から肩にかけての下部に分かれています。肩こりを感じるのは主に僧帽筋の上部になりますので、その上部を鍛えるような筋トレを行うことが肩こりの解消には効果的です。
僧帽筋の上部は肩をすくめる動きで収縮しますので、鍛えるためにはその動きに負荷をかけたり、あるいは僧帽筋を補助的に使う以下の種目を行うと良いですね。
ショルダーシュラッグ
鍛えられる筋肉:僧帽筋上部
やり方:ダンベルを両手に持った状態から肩をすくめ僧帽筋を収縮させたら、ゆっくりと元の位置に戻しこれを繰り返します。
ポイント:肩をすくめる時はあごを引いて、できるだけ肩を高く上げるように意識します。ダンベルを降ろした時は背中が丸まらないように注意して、首から肩にかけての僧帽筋のストレッチを意識します。息を吐きながら2秒かけてダンベルを持ち上げ、息を吸いながら3秒かけてストレッチポジションまでダンベルを下ろします。
アップライトローイング
鍛えられる筋肉:僧帽筋上部、三角筋
やり方:ダンベルが体の前に来るように両手で持ち、肘の骨が体の外側を向いた状態を作ります。そこからダンベルを鎖骨の高さまで持ち上げ僧帽筋と三角筋を収縮させたら、ゆっくりと元の位置に戻しこれを繰り返します。
ポイント:ダンベルを持ち上げる時は肘から持ち上げるイメージで行います。トップポジションでは手よりも肘の方を高く持ち上げ、しっかりと僧帽筋と三角筋の収縮を意識して、ダンベルを降ろした時は肘を伸ばしきらないようにして僧帽筋のストレッチを意識します。息を吐きながら2秒かけてダンベルを持ち上げ、息を吸いながら4秒かけてストレッチポジションまでダンベルを下ろします。
サイドレイズ
鍛えられる筋肉:三角筋
やり方:ダンベルが体の横に来るように両手で持ち、手の甲と肘の骨が体の外側を向いた状態を作ります。そこからダンベルを肩と同じ高さまで持ち上げたら、ゆっくりと元の位置に戻しこれを繰り返します。
ポイント:動作の間肘はほんの少し曲げた状態をキープして、真横にダンベルを持ち上げるように意識します。トップポジションでは手の甲が上を向くようにして、肩と肘と手の3点が同じ高さになるように意識してダンベルを持ち上げます。動作の間は肩が上がらないように意識して、トップポジションでも肩がすくまないように注意します。息を吐きながら2秒かけてダンベルを持ち上げ、息を吸いながら4秒かけて元の位置までダンベルを下ろします。
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今ご紹介した3種目は、僧帽筋を鍛える、あるいは僧帽筋を補助的に使うトレーニングになります。ショルダーシュラッグとアップライトローイングは、ダンベルでもバーベルでもどちらでもできる種目になりますので、トレーニングを行う環境に合わせて臨機応変に行っていただければと思います。トレーニング器具が無い環境でも、例えば水の入ったペットボトルをダンベル代わりに使ったり、スポーツ用品店などで売ってるゴムチューブを負荷として使っても良いですね。
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どの種目も10回~15回を1セットとし、休憩を挟んで3セットずつ行いましょう。3種目を3セットずつ行うと10分~15分ほどのトレーニングになりますので、それを週に2~3回の頻度で行うと良いかと思います。最初は軽めの重量から始めていただいて、15回が楽にできるようになったら次回のトレーニングは少し重量を上げるようにしてみてください。
目的は肩こりを予防するために僧帽筋を強くすることですので、ある程度僧帽筋や三角筋が辛いと感じる負荷で行う事が大切です。1ヶ月も続ければ筋肉が強くなり、いつの間にか肩こりが楽になってることに気が付くはずですので、ぜひトレーニングする時間を作って続けていただければと思います。
姿勢を正すと見た目年齢も若返る!
姿勢って見た目年齢にとても関係してると思います。猫背と背筋を伸ばした姿勢を比べたら、どちらが若く見えるかは言うまでもありませんよね。特に後姿に違いが表れると思うのですが、自分で見ることはできないけど他人には一番目に写る場所ですし、ピンと伸びた背筋は見た目年齢を若返らせるのに効果抜群だと思います。
背筋を伸ばした状態であごを引いた姿勢は、頭の重さが分散されるため首にかかる負担が減りますし、肩を後ろに引き胸を張れば、僧帽筋が引っ張られることもありませんので血行不良の予防にもなります。つまり正しい姿勢をキープしていれば見た目年齢を若返らせるとともに、肩こりの予防にも繋がる一石二鳥の効果があるわけですね。
もちろんいくら正しい姿勢とはいえ、普段と違う格好を維持するのは疲れます。しかし姿勢の悪さが原因で肩こり症状のある方は、他の筋肉に楽をさせてるかわりに僧帽筋を酷使しているわけですので、正しい姿勢を作る筋肉を鍛えて、正しい姿勢をキープすることが習慣になれば、必ず肩こりは楽になってくるはずです。
そのためには今ご紹介した僧帽筋を鍛える筋トレとともに、姿勢に関与した筋肉を鍛えることもとても効果的です。
最強の肩こり予防法は大きな筋肉を鍛えること!
ここまでは肩こりを予防するための方法として、肩まわりの筋肉を鍛える筋トレをご紹介させていただきました。
僧帽筋を鍛えることで疲れにくい筋肉を作るとともに、筋肉のポンプ機能を上げて血流を促進させよう!というのが狙いだというのは先述したとおりなんですが、実はもっと肩こりに効果のある筋トレが他にあるんですね。
それは体の中で大きな筋肉を鍛える筋トレ種目になります。
その「大きな筋肉」とはどこの筋肉なのかというと…
脚、背中、胸
の筋肉です!
これらの筋肉は体を支えるのにとても重要な筋肉で、正しい姿勢づくりにとても関与していますので、鍛えることで得られるメリットは本当に計り知れません。
脚は2足歩行を行う人間にとって土台となる部位ですし、重力に逆らって下半身の血液を心臓に戻すためには、脚の筋肉によるポンプ機能はは欠かせません。背中の筋肉は僧帽筋と共に(僧帽筋も背中の筋肉の一部です)、背骨や肩甲骨を支えるためにとても重要な筋肉ばかりです。胸の筋肉は普段の姿勢では縮まってることが多いので、胸を鍛えることで縮まった胸が開くようになり、上半身の血流促進に役立ちます。
と、このように姿勢に関与している脚、背中、胸の筋肉をしっかり鍛えてあげることで、筋肉が関節を支える矯正サポータのような役割を果たしてくれるようになります。脚、背中、胸の筋トレ種目も一緒に行うことで、より早く、確実に肩こりを解消する事ができると思いますし、実際そのような効果が実感される方はたくさんいるんですね。
ということで、脚、背中、胸のトレーニング種目もご紹介しますので、先ほどの僧帽筋を鍛える筋トレと併用して行っていただければと思います。
脚のトレーニング
種目名:ワイドスクワット
使う筋肉:大腿四頭筋、大殿筋
やり方:スタンスをやや広めに立ち骨盤を前傾させます。そこから後ろにある椅子に腰掛けるイメージでお尻を下げていきます。しゃがむ時は膝がつま先より前に出ないようにお尻を後ろに引きます。内モモがストレッチされる位置までしゃがんだら、元の位置まで立ち上がりこれを繰り返します。
ヒップアップに効果的なスクワットで大殿筋を鍛え、若々しい後ろ姿に
もちろん脚幅を肩幅くらいのスタンスで行う普通のスクワットも効果的です。内モモを鍛えたい場合はワイドスタンスで、お尻や太モモを鍛えたい場合は通常のスタンスで行うなど使い分けていただいても良いですね。自分の体重が楽にできるようになったら、ダンベルを持つなどして負荷を上げてみましょう。
背中のトレーニング
種目名:デッドリフト
使う筋肉:脊柱起立筋、ハムストリングス
やり方:足幅を肩幅くらにして立ち両手でダンベルを持ちます。最初に膝をやや曲げて骨盤を前傾させ、背筋を伸ばしたまま股関節から折り曲げるように上半身を前に倒します。腰は常に真っ直ぐに保ち、ハムストリングスが突っ張る場合は膝を曲げながら上体を前に倒していきます。ダンベルがすねの位置に来るまで上体を前傾したら、再び元の位置まで戻してこれを繰り返します。
ダンベルが2個あれば他の種目でも背中を鍛える事ができますし、先ほどご紹介したゴムチューブを使ったトレーニングも効果的ですので、自分がやりやすいと思った種目を行うと良いですね。
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胸のトレーニング
種目名:腕立て伏せ
使う筋肉:大胸筋、上腕三頭筋、腹筋
やり方:手幅を肩幅よりこぶし1~2個分広げて手を地面につきます。足はつま先立ちで、横から見たときに腕が垂直になるように足の位置を調節します。腰が反ったりお尻が持ち上がったりしないように腹筋を使って体を真っ直ぐに保ちます。胸を張ったまま顔をやや斜め前に下ろすイメージで体を倒し、あごと胸が地面すれすれの位置に来るまで下ろしたら、そこから体を持ち上げてこれを繰り返します。
意外とちゃんとやろうとするときついのがこの腕立て伏せになります。つま先立ちで行う腕立て伏せがきつい場合は、膝を地面について行うと負荷が軽くなります。腕立て伏せは体1つでいつでもどこでも手軽に行える種目だと思います。もちろんダンベルやマシンを使って大胸筋を鍛えることも効果的ですので、こちらも自分の環境にあった種目を行うと良いですね。
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こちらの3種類の筋トレも腕立て伏せ以外は10回~15回を1セットとし、休憩を挟んで3セットずつ行いましょう。腕立て伏せは自分の限界までを1セットとして、それを3セット行うと良いですね。
頻度や回数、重量の上げ方は、先ほどの僧帽筋の筋トレと全く同じで、頻度は週に2~3回、回数は15回を目標に、最初は軽めの重量から始めていただいて、15回が楽にできるようになったら次回は少し重量を上げるやり方が良いかと思います。
そして一番大切なのは筋トレも正しい姿勢も継続することです。筋肉は鍛えるのをやめてしまえば元に戻ってしまいますし、体の中の大きな筋肉を鍛えても、意識しなければ正しい姿勢は作ることが出来ません。いきなり全ての筋トレや姿勢の改善を行うことは難しいと思いますので、まずは肩回し程度の軽い運動でも良いので、何かしら体を動かす習慣を意識していただいて、徐々にできることを増やしていき、肩こりの解消につなげていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。