筋トレを行う目的は人それぞれですね。
「カッコいい体になりたい」
「痩せたい」
「運動不足を解消したい」
など、トレーニングを始めるきっかけは人によって様々だと思うのですが、全ての方に共通する効果を出すためのポイントは、
筋肉を付ける
この一言に尽きると思います。
・筋肉を付ければ体のアウトラインが変わる
・筋肉を付ければ代謝が上がる
・筋肉を付ければ体力が付く
といったように、
筋肉を付けることによって得られる恩恵は多々あり、それらの効果によって目標に近付くことが出来る、あるいは達成することが出来るわけですね。
上記のような効果は、体の中の「ある筋肉」を鍛えることで特に体感することが出来ます。その筋肉とは脚や臀部、胸、背中といった、体の中でサイズの大きな筋肉のことです。筋肉のサイズがもともと大きければ、筋肥大は体のアウトラインの改善に大いに関わりますし、同じような稼動域の運動の場合、大きな筋肉を使う方がよりカロリー消費は多くなります。
さらに大きな筋肉を使う運動は酸素もたくさん消費しますので、それを補うために心肺機能も鍛えられるという二次的効果ももたらしてくれます。心肺機能の強化は疲れにくい体作り、あるいは疲れてもすぐに回復する体作りに繋がりますので、より活動的な生活を送ることを可能にしてくれるはずです。
と、筋肉を付けることで得られるメリットを色々書いてきましたが、今回は背中の筋肉を鍛えることに焦点を当て、ダンベルを使って効果的に背中を鍛えられるメニューをいくつかご紹介していきます。
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まずは背中にある筋肉と、筋肉を使うための動きを覚えよう!
一言で背中といってもその面積は広く、様々な筋肉が存在しています。
例えば胸なら大胸筋、太ももなら大腿四頭筋、お尻なら大臀筋といったように、各部位に対して代表的な筋肉は1つというパターンがほとんどなのですが、背中の筋肉の場合、広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋と、個人的にはこの3つが特に代表的な筋肉だと思います。ですので1種目だけでは背中全体を鍛えることが出来ないため、複数の種目で刺激を与えることが理想とされているわけです。
そして背中の筋肉をまんべんなく鍛えるために、覚えておくと効果的だと思うポイントは以下の2点です。
1、それぞれの筋肉の場所
2、それぞれの筋肉が使われる動き
この2つのポイントをイメージしてトレーニングを行うことで、より明確に個々の筋肉を意識して鍛えることが出来ると思います。
もっともこれは背中の筋肉に限ったことではないので、他の部位に対してもこの2つは覚えていただきたいポイントなのですが、体の前面にある筋肉は目で確認しながらトレーニングを行うことが出来ます。しかし背中の筋肉はそれが出来ませんので、目視以外で背中の筋肉を意識出来るようになるために、上記の2つはぜひ覚えていただきたいポイントになります。
まずは、先ほど挙げた3つの筋肉の場所から見ていきましょう!
広背筋
広背筋は腰から脇の下に向かって伸びている三角形の形をした筋肉です。
上半身のアウトラインを逆三角形にしたい場合は、広背筋を肥大させることがとても効果的です。
僧帽筋
僧帽筋も広背筋に負けず劣らす大きな筋肉で、僧帽筋上部は肩の付け根から後頭部にかけて、僧帽筋下部は背中の中央から後頭部にかけて伸びています。
この僧帽筋の疲労が原因で起きる症状の1つとして、デスクワークの女性の悩みの一つである肩こりがあります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は正確には筋肉の名前ではなく、背骨に沿った複数の筋肉の集まりを総称した呼び名です。
複数の筋肉で構成されていますが、ウエイトトレーニングでは「脊柱起立筋」として1つの筋肉と捉えて意識します。
次に、3つの筋肉が使われる動きを見てみましょう。
広背筋
広背筋は肩関節の動きで収縮する筋肉で、主に肩甲骨を中央に寄せる動作で使われます。
脇の下を通り腰に向かって斜め下に繊維が走ってる筋肉ですので、肩を腰方向に下げながら肩甲骨を寄せることで、しっかりと広背筋を収縮させることが出来ます。そのため広背筋を収縮させる時、腰は反る姿勢になります。
僧帽筋
僧帽筋も同じく肩関節の動きで収縮する筋肉で、主に肩甲骨を寄せる動作で使われるのですが、広背筋とは逆に肩を下げずに肩甲骨を寄せる動作で収縮します。
肩甲骨を寄せる以外に、肩をすくめる動作では僧帽筋の上部が収縮しますので、ダンベルを持って肩をすくめる「シュラッグ」という種目は肩こり改善に効果的があります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は上半身をくの字に曲げる前屈の姿勢から起き上がる時に使われる筋肉です。
ただし、背中を丸めて前屈する姿勢は腰に負担がかかりますので、ウエイトトレーニングで前屈運動を行う時には必ず骨盤を前傾させ腰を丸めない姿勢をキープすることが大切なポイントになります。
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背中の筋肉を効果的に鍛えるダンベル種目
背中の代表的な筋肉である広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋について、それぞれの位置と使われる動作について解説したところで、いよいよ本題のダンベルを使って背中を鍛える種目をご紹介します。
ベントオーバーローング
使う筋肉:脊柱起立筋、広背筋(僧帽筋※1)
動作:腰幅かそれよりやや狭めのスタンスで立ち、体をくの字に前傾した姿勢をキープしたまま、肩甲骨を寄せる意識でダンベルを持ち上げます。
ポイント:前傾姿勢のポイントは膝をやや曲げて骨盤を前傾させ、腰から首の下までが一直線になるように背筋を伸ばします。ダンベルを持ち上げるときは胸を開くイメージで肩甲骨をしっかり寄せて、背中の筋肉の収縮を意識しましょう。
※1、肩を下げながら肩甲骨を寄せれば広背筋、肩を下げずに寄せれば僧帽筋が鍛えられます。
デッドリフト
使う筋肉:脊柱起立筋、ハムストリングス
動作:腰幅かそれよりやや広めのスタンスで立ち、ダンベルを両手で持ち真っ直ぐ立った状態からスタートします。上体をハムストリングスのストレッチを感じる位置までくの字に前傾させたら、再びスタートポジションまで戻します。
ポイント:前傾する際はベントオーバーローイングと同じように、膝をやや曲げて骨盤を前傾させ腰が丸まらないように行います。脊柱起立筋だけでなくハムストリングスも使って、背面全体でダンベルを支えるように行いましょう。稼動域は柔軟性によってかなり個人差がありますが、ハムストリングスがストレッチされて痛みを感じる場合は、膝を曲げる角度を増やすか、ボトムポジション(バーを下ろす高さ)を高くするなどして調節しましょう。
ワンハンドローイング(ダンベルローイング)
使う筋肉:広背筋(僧帽筋※1)
動作:上体を前傾させた姿勢をキープして、肩甲骨を寄せる意識で片手ずつダンベルを持ち上げます。ベントオーバーローイングに比べて扱う重量は軽くなりますが、稼動域を広く行えるので背中の筋肉を強く収縮出来るのがメリットになります。
ポイント:上体を前傾させてダンベルを引く動作は片手で行うこと以外はベントオーバーローイングと全く同じで、膝をやや曲げて骨盤を前傾させ背筋を伸ばす姿勢も全く同じです。ダンベルを持たない側の手と膝をベンチについて上体を支えて行うため、ベントオーバーローイングに比べて腰の負担は少なくなります。引く時はベントオーバーローイングよりもさらに高くダンベルを持ち上げるイメージで、背中の筋肉の収縮を意識しましょう。
※1、ベントーバーローイングと一緒で、肩を下げながら肩甲骨を寄せれば広背筋、肩を下げずに寄せれば僧帽筋が鍛えれれます。
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背中の筋肉をしっかり鍛えて、見た目年齢を若返らせよう!
先ほども書きましたが、背中の筋肉は自分の目で直接見れないことが、トレーニングで効かせにくい原因の1つだ思います。
でも筋肉に効くという感覚は、一度体感することが出来れば自転車に乗る感覚のように忘れることはありません。
ゼロの感覚を1にするまでは時間がかかるかもしれませんが、1にすることが出来ればそれを10や20に増やすことはそれほど難しくないんですね。
背中の筋肉は普段まり使わない筋肉だけに、効かせられるようになれば効果が表れるのも早いと思います。
そして背中の筋肉は普段の姿勢を形作るためにとても重要な筋肉でもあります。
肩甲骨が開き背中が丸まれば猫背と呼ばれる姿勢になるわけですが、肩甲骨を寄せるのも背筋を伸ばすのも背中の筋肉の働きになります。
ですので、今回挙げた背中の代表的な筋肉である広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋を鍛えることは、姿勢の改善にもとても効果があります。
外見で年齢を判断する基準として、顔や髪型以外で重要なポイントはやはり姿勢ですよね。
皮膚のたるみや白髪といった年齢による変化は時の流れに逆らうことは出来ませんが、姿勢は筋肉を鍛えることで年齢に関係なく改善することが出来ると思います。
姿勢を作る筋肉を強化するためにも背中のトレーニングを積極的に取り入れ、実年齢よりも若い後ろ姿作りに役立てていただければと思います。
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今回僕がご紹介した背中のトレーニングのポイントが、見えない部分にある背中の筋肉の形や動きをイメージするきっかけになれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。